投資信託論「インデックスファンドの基礎知識」⑤まとめ
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インデックスファンドの運用方法
インデックスファンドの運用方法には下記の2つがあります。
- 全銘柄買付法
- サンプリング法(層化抽出法)
全銘柄買付法は、例えば日本株であれば、東証第一部上場企業を時価総額に応じて、そのウェイトで全部買う方法です。
この方法は基本的にベンチマークとの乖離が小さくなるというメリットがある反面で、ある程度まとまった金額がないとスタートができないデメリットがあります。
サンプリング法(層化抽出法)は、例えば株式のインデックスファンドでいうと東証の業種比(農林水産業、食品業、薬品、情報通信それぞれ何%と決まっている)で銘柄を組み入れていく方法になります。
メリットは全銘柄を買わないので比較的小ぶりの金額で運用が可能です。
デメリットはベンチマークとの乖離が大きく振れる可能性があり、誤差が出やすくなるということです。(トラッキングエラーがベンチマークとの乖離が生まれやすい)
トラッキングエラーの概念
アクティブファンドは、例えばベンチマークが20%上がると、うまくいくとトラッキングエラーが10%であれば30%上がります。
逆に運用がうまくいかないと、ベンチマークが20%上がっても10%しか上がりません。
トラッキングエラーは、一般的な年金ファンドよりも投資信託の方が高く、投資信託の中でも、ある特定の業種に特化するテーマ型ファンドになると、トラッキングエラーが大きい値になります。
そのためテーマ型ファンドはいい時はいいけど、悪くなるとベンチマークが上がっても、あまり上がりません。
このように、トラッキングエラーという概念は普段あまり使いませんが、理解するとリスクとリターンのイメージが自分の中でできてきます。
基本4資産、基本6資産、基本8資産
- 基本4資産:日本株、日本債券、先進国株、先進国債券
- 基本6資産:日本株、日本債券、先進国株、先進国債券、新興国株、新興国債券
- 基本8資産:日本株、日本債券、先進国株、先進国債券、新興国株、新興国債券、リート日本、リート外国
このように投資信託の基本は8個あります。
そして同時にMSCI-World、MSCI-Kokusai、MSCI-All Countryといったベンチマークがよく使われています。
インデックスファンドが支持される最も代表的な理由
過去のデータを見ると、アクティブがインデックスファンドに勝てるのは、だいたい平均して2割3割でした。
そして常連の2割3割ではなくて、絶えず顔ぶれが入れ替わっていっています。
これがインデックスファンドが支持される理由です。
スタイルバイアスを排除するとアクティブの有効性が示される
例えば大型バリュー、大型グロース、小型バリュー、小型グロース、と4つに分け、それぞれのインデックスを見て、そのカテゴリーに所属するアクティブファンドとベンチマ-クを比較します。
そうすると上位のファンドはずっと上位にいることができる、といったファンドが見つかります。
そのため、スタイルバイアスを排除するとアクティブは有効なんだということになります。
少し専門的な見方になりますが、知っておいた方がいいと思いますので、ご紹介させていただきました。