金融コミュニケーション論「投資の基本」①資産運用のカタチ
資産運用において一番大事なことは、「ゴールをどのように設定するか」と言われています。
なぜかというとゴールが決まると、そのゴールを達成するための最適な戦略と商品が決まるからです。
この第一回目の「資産運用のカタチ」では、その「ゴールの設定と最適戦略」これを決める上で大事な資産運用の4種類からなる基本の形、これをご理解いただいて最適な戦略につなげるお話をしていきたいと思います。
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投機
まずは一番右側の投機です。
これは運用の時間軸で言うと非常に短い数日から数か月、時には数時間なんていう場合もあるかもしれません。
具体的な手法で言うと、株式の信用取引、為替FX、これら両方とも「レバレッジ取引」と言います。
内容は、業者さんがお金を誘致してくれて、2倍3倍、FXなんかは10倍くらいの金額の取引ができるというものです。
これは当然難易度が高いです。
どういうことかというと、儲かったとしても「ラッキーで儲かった」ということなので、再現性が難しいということです。
この取引が成功するには、短期的な価格変動を的確に予測し、それが当たる事ということになってくるので、これをやられる方は一定数いたとしてもそんなに多くないかと思います。
短期
大事なのは右から2番目の短期というとこです。
一番下にカタカナでトウシと書いてあります。
今日本の金融機関がやっているのは、ここのカテゴリになります。
どういった手法かというと、半年から3年くらいの短期で株式や投資信託を使います。
そして市場の方向性、つまり今このマーケットを買うと儲かるといった売り買いタイミングをみる「マーケットの方向性に賭ける投資」なので、難しいものになります。
やはりある程度賭けの要素が含まれていて、成功要因はこういった経済やマーケットの予測が当たる事になりますが、当て続けることは難しいです。
投資
カタカナ投資に対して漢字の投資というのが左側にあります。
イメージで言うとウォーレン・バフェットのような「バリュー投資」に代表されるように、相場を予想する、経済を予測するのではなく、投資しようと思った会社の5年後10年後の企業価値を計算し、会社のフェアバリュー、理論株価を計算するものです。
企業の価値や価格に投資するのではなく、企業の価値と市場の認識のギャップが収益源になるといった投資が本物だということで漢字で書いてあります。
しかし、これも一般の人間がこういった投資をしようとすると非常に難しく、再現性がありません。
資本主義投資
一番左側をご覧ください。
こちらが投資信託の販売については重要になってくると思います。
手法は、投資信託を使って、「長期・分散・積立(高齢者の方は取崩手法も)」ということになります。
一番下に「あなたの目指す資産運用のカタチは?」とあります。
- 老後の資産を作る
例えば、30代40代50代の方が65歳75歳までに2000万3000万作るといった、老後の資産を作るためには、「長期・分散・積立」が最適な戦略ということになってくると思います。
- 老後の資産を守る(資産寿命を延ばす)
65歳の方が退職金をもらった場合、そのお金を運用しながら取り崩して資産寿命を延ばすという運用用法
「長期・分散・取崩」が最適な戦略ということになってくると思います。
こういった方法が成功するための条件は、世界経済が長期的に成長することだけです。
これは先程の短期の赤い囲み枠のところと比べてください。
右側の短期の方は成功する条件がマーケットの予測が当たるということで、結構難しいことになります。
それに比べると左側の長期の運用というのは、今より10年後世界経済全体が長期的に成長しているか、20年後はさらに成長しているか?これだけでいいんです。
どっちが確からしさが高く、予測することが簡単でしょうか?
これまで200年間世界経済が成長してきたように、おそらく今後も成長していくと考えるならば、「資本主知投資」つまり資本主義が今後も成長するかどうかに依存する、資本主義の将来に賭けをする、こういった投資だと思います。
4つの形の特徴を理解して戦略をたてる
この4つの形、特に赤い囲みの二つの違いをまず理解して、どちらをやりたいのかだと思います。
短期でお金を増やしたかったら予測してください。ただし難しいです。
年金ユースの老後のお金を作る・守る運用は、予測はいらないので基本的に失敗はしません。
失敗をするとしたら、資本主義というのがなくなったり、長期的に成長していかないこと(破綻)ですが、破綻することはないのかなと思っています。
まずは4つの形を理解することによって、今後のお話がわかりやすくなるのかなと思います。