金融コミュニケーション論「投資の基本」②投資と投機の違い
今回は「①資産運用のカタチ」の補足のようなお話をしたいと思います。
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投資のカリスマ「ウォーレン・バフェット」
投資のカリスマと言われているウォーレン・バフェットは、1000万円くらいからスタートして、資産を7兆円、9兆円と株式投資だけで増やしたと言われています。
ちなみに彼はマーケットを予測した投資でお金を設けたわけではなくて、投資しようとする会社の将来の企業価値を推計して資産を増やしました。
例えば財務書協をベースに、その会社の持っている有形無形の資産、価値、あるいは企業経営者の考え方、これらを総合判断して将来的な株価はこれくらいだけど、今現在は株価が低いということは、いずれ時間の経過とともに価格が価値に近づいて、この差が収益源になっていくといった考え方になります。
つまり彼の財務分析、企業分析のスキル、能力、これが投資収益をもたらしているということです。
これはラッキーで勝ったわけではなく、彼のスキルのなせる業ということなんです。
ラッキーで勝ったものは再現性がなく、スキルで勝ったものは永続的に勝てることができるということになります。
彼は今90歳現役で、この業界でここまで勝ち続けてきたということは、やはりスキルがないとできません。
ラッキーだけで生きてきた短期の投資家というのは90歳になる前には、だいたいこの業界から姿を消していることが多いです。
経済や市場の転換点を当てる投機(トウシ)
図の右側に「経済や市場の転換点を当てる投機(トウシ)」と書いてありますけれども、経済の予測は、やはり難しいんですよね。
ここで「予測ビジネスで儲ける人びと」ウィリアム シャーデン (著)という本をご存知でしょうか?
こちらの本の中に出てくるカリフォルニア大学バークレー校のフィリップ・テトロック教授の調査を紹介したいと思います。
調査内容は、アメリカのエコノミスト、アナリスト234人の協力を得まして、彼らの過去に行った予測8000事例をさかのぼって、実際に当たったかどうかの検証をしたものです。
みなさんは、プロの正解率は何パーセントだと思いますか?
なんと50%を切っていました。
ちなみに素人が当てずっぽで言って当たる確率は、上がる下がるという意味で言うと50%になります。
このことは、いろんなところでご案内をしているかと思いますが、やはりプロでも経済やマーケットの転換点を当てていくということは難しい、ということを知っていてほしいなと思います。
予測を当て続けることは難しい
右下にチャートがあり短期と長期の違いをイメージ的にとらえると、こういうことになります。
これはグローバル分散したあるポートフォリオの事例なのですが、例えば短期投資というのがこの円の中として、顕微鏡や虫眼鏡で拡大すると上げ下げがいっぱい繰り返されています。
短期投資家というのはこの中で買ったり売ったりをやっていますが、長期投資家というのは一番左側が100一番右側が300で、この差が利益になります。
つまり長期投資家の利益というのは、世界経済が今よりも20年後拡大をとげているのであれば利益がとれるのです。
この円の中で売った買ったを繰り返して利益をあげていくのは、予測を当て続けることになります。
投機と投資どっちでお金を増やしますか?
何度も言いますが、予測を当て続けることは非常に難しいです。
ただ今日本の金融間はこれをやらせてしまっています。
これでは長期的な資本市場の収益率「r」資本所得が我々には届きません。
本物の投資はバフェットさんみたいにスキルで勝ちます。
スキルで勝つと永続して勝てます。
投機とトウシはラッキーで勝ちますが、いつまでも続かないからラッキーであり、再現性がありません。
ぜひ投機と投資どっちでお金を増やすかじっくり考えてみませんか?