金融コミュニケーション論「投資の基本」③預金と投資信託の違い
「そもそも投資信託って何だろう?」って方のために預金と投資信託の違いを説明させていただきます。
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銀行預金の仕組み
左の図が銀行預金、右の図が投資信託です。
銀行預金は不特定多数の預金者から預金を集めています。
銀行は預金者と預金契約を交わしていて、ある一定の利息を預金者にお返ししています。
ポイントは「銀行がリスクを負う」というところになります。
銀行が預金者のお金を一旦引き受けて、リスクのもとで融資や投資を行い、そこで得られる利益は、利息を預金者に払った残りの分が銀行のものになります。
どんなに儲かっても、預金者に契約で交わした利息以上のお金以外は払われません。
リスクテイカー
ここで大事なキーワードがあります。
「誰がリスクテイカーか」ということです。
資本主義のもとでは、リスクをとった人がリターンをとる権利があります。
だから銀行がこの融資や投資で大きな利益を得ても、リスクをとったのは銀行なので、銀行がそれを受け取る権利があります。
そのかわり預金者は、元本の保証と一定の利息を保証してもらえます。
これが預金のシステムです。
これを分かっていただくと投資信託の仕組みが非常に分かりやすくなります。
投資信託の仕組み
右の図の説明をします。
投資信託は不特定多数の投資家が投資信託というスキームに資金を集めて、専門家がこれを代理運輸をして投資をしています。
そこで大きな利益がうまれたら、その利益は誰のものになるでしょうか?
投資信託を運用する会社でしょうか?
販売した会社でしょうか?
違います。
リスクをとったのは誰かというと、これは投資家です。
そのため利益はコストをひいて、全部投資家のものになります。
当然ですが、投資によって損をしてしまうということになると、そのリスクも投資家が請け負うことになります。
これはリスクテイカーが投資家だからです。
こういった形で預金と投資信託の集団投資スキームの基本的な違いを理解すると、投資信託というものが、分かりやすいのかなと思います。