投資信託論「投資信託って何なの?」⑤投信販売で日本を変える?

contents

日米個人金融資産比較

上の表は20年間で個人金融資産がどれだけ増えたか、あるいは内訳がどれだけ変わってきたか、日米で比較したものです。

まず日本から見ていきたいと思います。

1995年日本の個人金融資産は、1182兆円、内訳が現金・預金が55%、運用が13%です。

これが20年間で、1815兆円に増え、年率2.1%成長、内訳は引き続き現金・預金の割合がまだ過半数、確定拠出型年金の導入等によって運用は18%と少しは増えてきました。

一方アメリカと比較をしてみましょう。

アメリカは95年に2300兆円となっていますが、やはり驚かされるのが銀行預貯金の割合が非常に低い13%で、運用が39%となっています。

そして20年後は、やはり運用の比率が高いので、当然資産は8800兆円で、増え方の成長率が6.8%と高いです。

ここで注目する点は、日本はこの20年間における個人金融資産の成長率は2.1%でアメリカに比べると1/3くらいになります。

個人金融資産成長率の差の理由

  1. 日本はアメリカに比べて預貯金のウェイトが非常に高い
  2. 運用する人もいるけど、短期の考え方で運用をする人がいるので、長期的なマーケットが提供している収益率rを逃している

これが、この日米の資産の成長率を決める大きな要因になっていると思います。

もし日本の家計のポートフォリオがアメリカ同様だったら

そこで私の妄想の話なんですが、もし、95年に家計のポートフォリオが変わってアメリカみたいになり、国際分散投資が普通に根付いていたら、アメリカ並みの年6.8%成長は決して不可能ではなかったのではないか、と思うのです。

そこまでいかないにしても、せめて2%の成長を4%にすることは可能だったかと思います。

仮に日本が米国並みの成長率で、資産成長率を実現できていたら、今家計金融資産は1815兆円ではなく、4400兆円になっていたかもしれません。

もし、これぐらいの資産になったら、我々の両親が持っている資産が今の倍になり、そしておそらく消費はもっと増えていたかもしれません。

日本のGDP60%は個人商品ですから、消費が増えると当然GDPも拡大し、税収も増えていたかもしれません。

そして消費が増えるということは、企業の利潤が拡大して、もしかすると給与が増えていたかもしれません。

給与が増えたとすると、所得が増えているとういことで、結果的に消費の拡大につながっているということです。

家計のポートフォリオを修正することによって、ただ単に「個人が豊かになる」ということだけではなくて、日本経済が違ったものになったかもしれません。

ファイナンシャルアドバイザーのお仕事は、「お客様の幸せと豊かさを実現するお手伝いをしていく」ということだと思うのですが、結果的に、このように日本経済全体も成長に資するような貢献ができるのではないでしょうか?