投資信託論「投資信託って何なの?」②投資信託の暗黒時代
60代より上のご高齢のお客様で、投資信託に対するアレルギーをお持ちの人は、多いのではないでしょうか?
今回は「1990年代以前の日本の投資信託は買ってはいけないものだった」理由をお話をさせていただきます。
現在の日本の投資信託は、インデックス、アクティブを含めて、海外の人と同じように、いい商品を選ぶことができます。
ところが昔はいい商品がありませんでした。
3つの側面に分けて、これからその理由をご説明させていただきます。
contents
運用面
昔、運用会社というのは、証券会社の子会社にしか認めらず、競争原理が導入されていませんでした。
そして、1995年以降、今のように外資系、独立系、異業種系(銀行系)など、証券会社系列以外の運用会社の参入が認められました。
外資では、アメリカから「フィデリティ」、イギリスから「ジャーディン・フレミング」がやってきて、独立系だと「さわかみ」が最初に入ってきました。
1990年代後半からやっと競争原理が導入され、このころから、まともな投資信託が選べるようになってきて、今ではグローバルスタンダードになってきていました。
制度
昔は公認会計士の監査義務がありませんでした。
そのため、親証券会社と子会社の投資信託会社の中で、いろいろな利益相反的なこと、犯罪みたいなことが平気で行われていました。
例えば、日本株ファンドで日経平均株価が上がっているのに、投信がどんどん値段が下がるといったことが、当たり前にありました。
証券会社の人はこういったことを知っていたため、自分のお金で投資信託は絶対に買いませんでした。
そのため、1998年、2000年と続けて投信法改正があり、初めて監査義務がつき、制度・法律も今グローバルスタンダードになりました。
販売
これだけは、残念ながら30年前から今も変わっていません。
「資産管理型営業への転換」という言葉はよく聞きますが、相場で短期で売って買って乗り換えてと、まったく変わっていない印象です。
日本の投資信託の課題は販売部分にまだあるように思います。